谷藤特許事務所の未来模索ブログ

いつも未来を模索しているちょっと変わった弁理士のブログです。突っ込み大歓迎です。一緒に未来の巨大ブルーオーシャンを先取りしませんか。

先読み式イノベーション:未来型ブルーオーシャンでの事業化方法(奇策)

成功方法は寝て待て!

 過去7回にわたって未来型ブルーオーシャンを先読みするテクニックについて解説しました。今回は、未来型ブルーオーシャンを先読みできた後何をすべきか、について説明します。未来型ブルーオーシャン市場を完全に独占したいのであれば、自ら事業化のための研究開発を行ってその成果を随時特許化する必要がありますが、今回は、他社の成功例に便乗する奇策を説明します。一言でいえば、「未来型ブルーオーシャンを特許で独占した後、具体的な事業化は自然淘汰で生き残った成功事例を待て」です。

 5年先に誕生するブルーオーシャン市場に今から飛び込んで事業化しようとしても時期尚早で成功しません。しかし、先読みできたブルーオーシャンを独占する方法があります。特許です。特許出願して5年後には特許が成立する時期になります。先ずは、推測されるあらゆる事業形態を明細書に記載して広い請求の範囲で出願します。その後は、市場を睨みながら自然淘汰で生き残った成功事例を狙い撃ちできる請求の範囲で分割出願を繰り返し行います。これらの特許は、先行技術が少ないため基本特許(必須特許)になります。

 前回のブログで、ヒットを狙うには「数撃ちゃ当たるマシンガン方式」がよい旨記載しました。開発コストを下げるには、多数のイノベーションを市場に晒して自然淘汰により生き残った成功事例が出てくるのを待つという方法があります。つまり、厳しい自然淘汰の洗礼は他社に担ってもらうという手法です。こんなことができるのも、早い段階で出願した基本特許を保有しているためです。

 そして、自然淘汰で生き残った一番の成功会社と互いの特許権でクロスライセンスを締結し、極力2社だけでブルーオーシャン市場を独占します。

 以上説明した奇策は反対意見も多数あると思います。例えば、「自ら汗を流して事業化に貢献していない会社が後に甘い汁を吸うのはけしからん」などの声が聞こえてきそうです。しかし、未来型ブルーオーシャンがどこに誕生するかを予測し、それを特許公開公報で公開することにより、将来誕生する巨大ブルーオーシャンを世の中に初めて紹介した貢献を無視すべきではないと思います。これを見た多数の企業が事業化のために動き出すのであり、どのような方向で事業化すれば成功するのかという羅針盤の役割が発揮されます。